不動産賃貸の大家さんがどのような所得税の確定申告をするかをご説明します。
目次
収入について
管理を頼んでいるのでしたら管理会社からの明細から収入金額を計算します。
契約時の保証金や敷金は預かり金なので収入金額に含めません 。
必要経費について
例:減価償却費、租税公課(固定資産税)、修繕費、火災保険料、管理委託費、広告宣伝費などです。
修繕費になるか減価償却資産になるか
修繕費というのは維持管理のための修理に関して提出した費用です。
金額が大きいものを経費にするかどうか迷います。
修繕費と資本的支出(資産)としての判定は次のようなものです。
修繕費として一回に経費になるものは、明らかに資産の価値を高めるものを除き
① 20万円未満のもの
② 概ね3年未満の周期で行われる修理改良等
③ その費用は修繕費か資本的支出かわからない場合は支出した金額が60万円未満のとき
損益通算
賃貸収入が少なくなって赤字になる場合もあります。空き室が多い、家賃の減額があり、借入金の利息や減価償却費が高くなった場合は、不動産所得は赤字になります。
この赤字は事業所得や給与所得など他の所得と損益通算して 所得を相殺することができます。給料で支払っている源泉税が還付になり、来年の住民税が安くなります。
ただ赤字の土地の取得に係る借入金の利子に対応する金額は損益通算の対象になりません。
減価償却
建物又は建物附属設備及び構築物については平成10年4月1日以降取得の建物と平成28年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物は、すべて定額法で減価償却費を計算します。
定率法を選ぶためには減価償却変更届出期限は変更しようとした年の3月15日までに変更の届出を出します。
事業的規模とは
① 貸間、アパート等については、部屋数が10室以上
② 貸家の場合はおおむね5棟以上
事業的規模の場合の差異
事業的規模 | それ以外 | |
取壊損失 | 原価を損失の生じた年分の必要経費 | 原価を損失の生じた年分の所得を限度として必要経費 |
青色専従者給与 | 必要経費 | 適用なし |
事業専従者控除 | 1人50万円(配偶者の専従者は最高86万円) | 適用なし |
青色申告特別控除 | 最高65万円 | 適用なし |
まとめ
事業的規模であるのに、専従者給与をとっていない場合や、青色申告の場合 青色専従者給与をとっていないかたもいます。
専従者給与または青色専従者給与をとった場合には、たとえ金額がすくなくても扶養家族になれませんので、ご注意ください。