給料をもらっているサラリーマンでも、資格取得や通勤費、転勤費用(転任)の金額が限度額を超える場合には、確定申告をすると所得税が還付されることがあります。このサラリーマンの経費を認める制度は「特定支出控除」です。
目次
特定支出控除とは
サラリーマンが 通勤費、転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費、勤務必要経費(図書費、制服・作業服等の衣服費、交際費)の6つの支出をした場合、基準額を超えるときに控除できる制度です。
特定支出
1 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出(通勤費)
2 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出(転居費)
3 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)
4 職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)
※平成25年分以後は、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象となります。
5 単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費)
6 次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの
国税庁のタックスアンサーNo.1415参照
No.1415 給与所得者の特定支出控除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1415.htm
勤務必要経費とは
1 書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)
2 制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用(衣服費)
3 交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)
特定支出控除申請
1 確定申告が必要
その際、特定支出に関する明細書及び、給与の支払者の証明書を申告書に添付するとともに、搭乗・乗車・乗船に関する証明書や支出した金額を証する書類を申告書に添付又は申告書を税務署に提出する際に提示してください。
2 経費ごとに会社の業務に必要である証明書を提出します
通勤費には「運賃、時間、 距離その他の事情に照らして最も経済的かつ合理的」であることという限定がついていますし、研修費・図書費そして衣服費(制服費等)では「職務の遂行に直接必要なものであること」という条件がついています。
会社側から、「会社が証明する以上、それが、適正な金額かどうか」もチェックする必要が出てきます。
参考資料:
給与所得者の特定支出控除に関する証明書の様式等の制定について
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/shotoku/shinkoku/871222/01.htm
特定支出控除額
給与所得控除の2分の1を超えた部分しか特定支出控除として認められません。
(計算例)
年収600万 給与所得控除 年収×20%+54万=174万
87万をこえる金額 100万資格取得や転勤で使った場合
100万-87万=13万控除に加算
13万×20%=26000円還付金額
まとめ
サラリーマンはもともと給与所得控除があり、経費がかかっていなくても給与所得控除があり、事業所得の人に比べて優遇されていますが、中には通勤や転勤あるいは資格取得で多額の費用を払っているかたもいます。
確定申告は証明書が必要になりますが、申告をすると所得税が還付になる場合もあります。