シニア起業の特徴と注意点

好きなことを仕事にする

現在は人生100歳ともいわれています。若いころは生活のために仕事を選んだ方もいると思います。定年を迎え生活も安定したところで、好きなことを仕事にすることはいかがでしょうか?好きなことを仕事にするとまず楽しいです。

たとえばこんな方もいらっしゃいます、旅行が好きなので旅行会社を作りたい。

前職が不動産業だったので、慣れている仕事で不動産業を開業したい。

好きなことをするとワクワクします。同じ仕事するのだったらワクワクしながら仕事したらどうでしょうか。同じ時間働いても疲れが少ないのではないでしょうか。

今までの経験あるいは興味を持っていたことを活かす
今までの仕事の経験を生かし、あるいはもともと興味を持っていたこと趣味だったことを生かして仕事をしましょう。とても有利に仕事ができます。

無理せず仕事ができる

自分で仕事をすると管理してくれる人がいないため、自己管理が難しいのですが、人に左右されずマイペースで仕事をすることができます。

注意点

会社設立を定年後にする場合には、雇用保険をもらっているときには、会社設立で役員になるともらえなくなることもあります。会社設立時期に注意してください。

女性の起業の特徴と注意点

好きなことを仕事にする

扶養の範囲内か、考えずに働くか
扶養になるかどうか、考えなくてもよいかたもいますが、もしも扶養の範囲で働く選択をした場合には、税務上、社会保険の扶養と金額の基準がちがうため注意しましょう。自分が思ったよりも高額な国保が請求がくることもあります。

会社設立か個人事業ではじめるかを考える

会社設立がどうしても必要な場合(許認可等で)もありますが、個人ではじめられる事業もたくさんあります。すこしずつ業務を拡大するのなら、最初は個人で始めるという選択もあります。
会社で節税になるのは所得金額500万円を目標にしましょう。個人で営業を開始して、所得(売上-経費)が500万円までは、所得税、住民税、事業税の合計が、会社の法人税、住民税、事業税よりも安くなります。

個人事業でも開業届、青色申告はしたほうがいいです

青色申告を選択すると3年間赤字の繰越ができます。青色申告でないと、開業当初の赤字が切り捨てられ、黒字がでてきた年に税金がかかります。

減価償却の計上が有利です
青色申告控除 65万円
赤字の繰越が3年間できる
青色専従者給与が支払うことができる(全額必要経費)家族への給料の支払いのことです。届け出が必要です。

今までは会社に勤めていたため社会保険のことを気にしなくてよかったのですが、会社を設立すると社会保険が強制加入です。

社会保険の適用事業所とは

法人(強制)
個人 常時5人以上 法定16業種
(任意)4人以下使用の16業種は許可

社保加入する被保険者

適用事業所の常勤 役員、従業員
1日又は1週間の所定労働時間、1ケ月の所定労働日数が一般従業員の4分の3以上
40時間とすると30時間以上
20日とすると15日
※雇用保険は20時間以上
501人の事業者は全員加入(短時間でも)

(加入しない人)

① 日々雇用(1ケ月以上は加入)
② 臨時2ケ月以上
③ 季節的4ケ月以上
④ 臨時的6ケ月以上
⑤ 国民健康保険組合の事業所で使用される人

年齢加入しない人

① 70歳以上の人は厚生年金を喪失健保に加入
② 75歳以上に人は健康保険の資格喪失後期高齢者医療保険
※国民年金は65歳以上になると納付がないが社保は70歳まで支払いがでる

報酬になるものならないもの

   金銭支給 現物支給
報酬 ・基本給、その他手当 ・食事、食券
・社宅、通勤手当
報酬にならない ・解雇予告手当、退職手当
・祝い金
・家賃、地代、預金利子、株主配当
・出張手当
・年3回までの支給の賞与
・食事 本人からの徴収金額が2/3以上
・住宅 本人からの徴収金額が標準価額以上
・被服 事務服 作業服

社保の保険料率

健康保険 介護該当なし 健康保険 介護該当 厚生年金
9.91% 11.56% 18.30%

本人負担が半分だが 介護該当の場合は合計で 29.86%(本人と会社負担合計率)

わかりやすいように金額は、概算で出しています。

国保との比較

国保の計算(会社でなく個人の場合)
(所得-基礎控除)×(7.32%+2.22%+1.68%(40~64歳))
+39,000円+12,000円+15600円(40~64歳)
例:50歳の月額30万円の役員報酬をもらっている人の比較
社保 30万円×12×30%=108万円(年)
国保 30万円×12-33万円×11.22%+39,000円+12,000円+15,600円=433,494円(年)
国民年金 16,340円×12=196,080円
合計 433,494円+196,080円=629,574円
実質率 629,574円÷360万円=17%

もちろん厚生年金はもらう際には多くもらえますが、会社が設立当初や赤字の場合、資金繰りを悪くしてまで支払うことはどうでしょうか?

法人税を納めれば借入に有利ですが、社保をたくさん支払っても借入が有利になりません。

法人税率

360万円の所得の税金
実効税率21.42%(法人税、住民税、事業税 400万円以下)
360万円×21.42%=771,120円

社会保険を考えた結論

法人を設立したばかりのかたは、前の給料をもとに社会保険の役員報酬を決めてしまいます。
その場合、当初赤字で役員報酬をもらえなくても、社会保険料を支払うことになっています。
報酬減額をせずに、時間がたつと社保負担、当初の設備投資負担でさらにキャッシュフローが悪くなります。
最初の設定がとても重要です。当事務所は、トータルの税金(社保も含めて)役員報酬の設定をご指導しています。