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新規に消費税がかかる方への御説明
新規に事業をはじめて2年間は消費税がかかりません。(会社で資本金が1000万以上の会社は除きます)
しかし事業を継続するうちに売上が1000万円を超えることになるとその2年後に消費税の課税事業者となります。
簡単に計算できる消費税
いったい、いくら消費税がかかるかをよく御説明することがあります。
二人の会話
Aさん:先生2年前に売上が1000万円をこえてしまい、ことしから消費税の課税事業者になると聞きましたが、いったいいくらぐらいになるかわかりません。
今年は赤字ではないのですが、それほど利益がでていないので、消費税も少ない金額ですか?
私:それでは簡単に計算できる目安をお教えします。来年から支払いが始まりますので、すこしお金をためておいてくださいね。
計算方法
売上-経費=利益 ですね。ことしは実際の数字を教えてください。最初は税込みで考えてみましょう。
Aさん:えーっと 売上はこの分でいくと1500万円ぐらいです。経費は人件費を含めて1400万円もかかっています。
私:計算式にあてはめましょう。経費のうち人件費はいくらぐらいですか?
Aさん:人件費は400万円です。
私:売上1500万円-経費1400万円+400万円=500万円
こちらは税込みで考えています。
500万円÷108×8=37万円が消費税の納税額です。計算してみると月3万円ぐらいずつ消費税のために貯金が必要ですね。
税抜きの損益で考えていいただけるとどうでしょうか?
売上 (税抜)1389万円-(税抜)1326万円(内人件費400万円)=63万円
税込み | 税抜き | |
売上 | 1,500 | 1,389 |
経費 | -1,000 | -926 |
人件費 | -400 | -400 |
利益 | 100 | 63 |
消費税 | 37 | 37 |
Aさん:どうして税込みの利益と税抜きの利益が違ってくるのですか?
私:すこし計算の端数が違いますが、税込み利益と税抜き利益の差額が消費税と考えるといいでしょう?いままで消費税を支払いしていなかったので、慣れないと思いますが、今後は税抜きの試算表で本当の利益をみていくといいでしょう。支払い開始した年は翌年が支払い期限なので、そのお金を使ってしまうと支払い時に大変です。貯金しておいてくださいね。
試算表が税抜きになっているのでしたら、仮受消費税から仮払消費税を差引した金額が大体の支払う消費税です。支払った経費のうち消費税がかからない取引は経費ではらっても仮払消費税は計上できません。
Aさん:経費で払っても仮払消費税がでてこない経費はなんですか?
私:一番大きいのは 人件費(給料)です。給料を支払っても仮払消費税は計上できませんので、ご注意ください。
利益がでなくても消費税の支払いはでてくる場合
具体的には 売上から給料を全額支払っている事業の場合、利益がなくても消費税の支払いが発生します。
例:売上1500万円-人件費1500万円=利益0円(税込み)
この場合の消費税は1500万円-1500万円+1500万円÷108×8です。111万円が支払消費税です。たとえ利益が0円でも支払消費税が発生します。
先ほどのように税抜きで考えるとこうなります
売上1389万円-人件費1500万円=▲111万円 消費税のことを考えると111万円はもうすこし利益を出さないといけないということです。
仮受消費税 111万円 - 仮払消費税 0円 = 111万円
最初は慣れないと思いますが、毎月どのくらいが支払消費税になるかを考えながら年末に備えてください。
次回お話ししますが、経費に計上できなくても消費税だけ差引できる場合もあります。