前回義務化される電子データについてご説明しました。前回の記事 はこちらをご覧ください。フローチャートをもとに会計ソフトを利用して簡単な方法で電子データを保存しましょう。今回は弥生会計とマネーフォワードを利用した場合の比較をしてみました。

どんな電子データを保存しなくてはいけないか

紙でやりとりしていた場合に保存が必要な情報が含まれる電子データ
(例)請求書、領収書、契約書、見積書など

例えば、電子メールの本文・添付ファイルで請求書に相当する情報をやりとりした場合や、WEB上でおこなった備品等の購入(ネット販売での購入)に関する領収書に相当する情報がサイト上でのみ表示される場合には、それぞれの電子データを保存する必要があります(PDFやスクリーンショットによる保存も可)。

専用システムを利用した簡単な保存方法

※検索簿作成、規則的なファイル名を設定する必要はありません

  弥生の証憑管理サービス マネーフォワードBOX
料金 デスクトップアプリの安心保守サービスに加入またはクラウドアプリ契約者ℍは無料 有料プランの人は無料(現在は無料プランでも使用可能、2024年6月1日からは無料プラン(注1)の人は有料になる)

 

金額例 安心保守サービス

弥生会計スタンダード年間 セルフプラン 30600円+税 ベーシックプラン40500円+税 トータルプラン 53900円+税

※おすすめはベーシックプランです。

※会計だけ販売だけでも証憑管理サービスは利用可能です。

 

クラウドアプリ 会計セルフ年間26000円+税 ベーシック35200円+税

有料プラン 法人 スモールビジネス年間  35760円 ビジネス59760円
申込方法 契約手続き不要ですぐに利用可能 契約手続き不要ですぐに利用可能
どのように保存するか 請求書等がメールできたらそのまま証憑管理にいれる 請求書等がメールできたらそのまま証憑管理にいれる

MF請求書で登録すれば自動保存も可

保存の仕組み データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステム タイムスタンプが付与される、会計、請求書から自動保存なので登録すれば手動は不要
事務処理規定 事務処理規定が必要(手動なのでサーバーにいれるまでに改ざんのおそれあり)データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムのため タイムスタンプ付だが事務処理規定が必要

※最長2ケ月で 事務処理規定で事務サイクル(1ケ月程度)をきめプラス7日ならいい事務処理規定で定める必要あり

利用することでのメリット インボイスの検索も自動

OCR機能を利用すると、アップロードした証憑(画像やPDFファイル)から文字データを読み取り、発行日、取引日、取引先名、金額、明細情報などを証憑の情報として設定することができ、証憑の情報を手入力する作業が軽減されます。

OCR機能は自動実行と手動実行があり、設定で切り替えることができる。

自分で検索できるように検索簿作成などの手間がない。

タイムスタンプ付になる

BOXで自動読み取り機能でインボイスにも対応。

自分で検索できるように検索簿作成などの手間がない。

利用することでのデメリット いままで電子データを保存していなかった人には手間が増える いままで電子データを保存していなかった人には手間が増える

弥生のスマート証憑管理の画面

マイポータルからスマート証憑管理を選択

 

マネーフォワードでのタイムスタンプ確認方法

BOXを開く

タイムスタンプ一括検証を押す→メールでタイムスタンプのCSVが送られてくる

弥生会計の業務一覧

会計以外を利用する場合には別料金

マネーフォワードの業務一覧

有料プランはすべての業務がその金額で利用できる。
※スモールビジネスプランは一部制限あり

(注1)
マネーフォワード無料プランは、有料プランを利用していて無料プランになってもデータは削除されずに、閲覧だけのように制限がかかってつかえるものです。この場合はBOXは利用できません。

まとめ

電子データの受取を電子保存するのは、自分でタイムスタンプや検索機能の確保のため検索簿作成やファイル名を検索やすいようにしたりする手間を考えると、既存のシステムのサービスを利用したほうが簡単です。料金も弥生の場合は通常の保守サービスにはいっており、マネーフォワードでは有料プランに含まれているため利用しやすいです。
いずれにしても事務処理規定は作成と遵守が必要なのでご注意ください。

会計ソフトを利用するまでもない零細企業の場合で年間に受け取る電子データがすくない事業者は検索簿作成やファイル名を区別する方法でお金をかけずにできます。