目次
主婦の起業とは
生活スタイルに合わせた仕事ができる
女性は男性と違い生活スタイルが変わります。
例えば結婚、出産、子育て、介護など会社に属した仕事の仕方だとなかなかこの生活スタイルに合わせることができません。
自分で起業した場合には自分の裁量で生活スタイルに合わせることができます。
生活の基盤があるため仕事の選択が自由になる
結婚して家庭の仕事もしているということもありますが、通常はご主人の給料で生活をまかなっているため、生活の基盤ができています。
そこで仕事の選択も自由になります。
留意点
女性が起業する際の課題として2012年版中小企業白書中小企業庁のアンケートによると経営に関する知識、ノウハウ不足、事業に必要な専門知識・ノウハウ不足を回答する割合が多いです。
これは男性に比べ就業経験が短く社会経験が不足しているからです。
それ以外にも開業資金の調達という課題が多く回答されています。
女性の起業は小規模なものから始めることが多いので自己資金のみで起業する割合が高いからです。
しかし自己資金のみですとは限られた仕事しかできません。
もしもやりたい仕事が設備投資が必要でしたら女性を応援する創業活用資金を利用することがいいと思います。
日本政策金融公庫では女性にむけて創業資金を融資しています。
扶養からはずれる時期
いつ扶養からはずれるか
扶養を外れる時期ですが所得税、社会保険、扶養手当等種類によって時期が異なります。
所得税については年初めに扶養控除の異動申告書を出します。
こちらは今年いっぱいのものですが途中で変更があった場合には変更の都度出すことになっています。
ただし、年間の収入と経費が分かりませんので年末まで待って年末調整で調整しても大丈夫です。
次に社会保険ですが、現在年間130万の収入ということになっています。これは給与についての基準です。
事業の場合にはその事業によって経費が異なりますので、収入が高くて経費の多い人もいれば収入が少なくて経費の少ない人もいます。
社会保険の扶養については継続的な収入がこれから年間通してあるという前提で扶養を判断しますので、パートなどで勤めている場合には分かりやすいのですが、事業の場合には少し複雑になります。
認められる経費も実際かかったものと違う場合もありますので、ご主人の会社に確認したほうがいいと思います。
会社で支給する扶養手当ですが、会社によって基準が異なります。
所得税の扶養に入っていればもらっていてもいいという会社が多いと思いますが、こちらも会社に確認した方がいいと思います。
扶養の種類
所得税の扶養
配偶者控除とは合計所得金額が38万円以下の方を対象にします。
合計所得の計算方法は収入から経費を引いた残りが合計所得になります。
ただパートで働いている方については、収入から給与所得控除額を引いた残りになります。
控除額は給与の金額が1619000円までは65万円と決まっています。
そこで立派に割る103万というのは103万円から65万を引いた残りが38万円になるので配偶者控除の対象になるということです。
注意していただきたいのが、ご主人が事業主で奥さんが青色事業専従者給与の支払を受けている場合には、
支給金額に関わらず配偶者控除は適用ありません。
No.1190 配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか
社会保険の扶養
社会保険の扶養の金額はよく130万円と言われています。
税法上の考えと違うのは年収金額が将来の見込み額です。
税法では1月1日から12月31日の収入の金額でその年の扶養に入るかどうかを判定します。
社会保険についてはこれから先の将来にわたっての見込み額なので全く考え方が違います。
扶養家族になるためには将来にわたっての見込額が130万円未満であることが求められます。
130万円を12ヶ月で割ると108333円になります。
パートで勤めた場合にはこの月額金額以上をこれから先もらう予定になれば扶養が外れるということです。
扶養手当の扶養
扶養手当については会社の規定によります。
給与規定に基づいて扶養手当が出ているのですが、一般的には所得税の扶養に入っていると扶養手当が出る会社が多いと思います。
会社に確認してください。
個人でするか会社でするか
個人でする場合
個人事業でする場合には法人に比べて経理事務の手続きが簡単です。
確定申告書を自分で提出することになりますが最初はちょっと大変だと思いますが、慣れてくると自分でできる場合が多いです。
現在ですと会計ソフトで確定申告書までできるものがあります。
まず毎日の経費と売上を入力することから始めましょう。
自分で使われているソフトはやよいの青色申告、あるいはフリーなど使っている方が多いと思います。
こちらのソフトはダウンロード版でインストールが必要です。
freeeはオンラインのみです。インストールは不要です。
弥生の青色申告オンラインもあります。セルプランは初年度無料です。
オンラインですとOSはなんでもいいので、MACでも使えますし、パソコンはどのパソコンでもよいです。
税負担率から考えると個人事業をいつ法人にしたらいいかというのをよく聞かれます。
所得=利益が500万円を超えると法人設立の目安と言われています。
個人事業を開始して利益が500万円出てきたら法人にすると税負担率が安くなります。
会社でする場合
会社にする場合の注意点
法人設立をしなくてはいけません。
現在ですと合同会社は簡単に説明することができますが、ただ設立した後に毎年1回決算をして税務署に申告しなくてはいけません。
合同会社の設立はこちらをご覧ください。
個人と比べて手間がかかります。自分でできない場合には税理士に頼むことになりますので、その費用がかかります。
次に法人にした場合は社会保険の加入が条件になります。
社会保険の費用も考えなくてはいけません。
メリットとしましたら個人では自分に対して給与が払うことができませんが、
法人にすると役員報酬として自分にお給料あるいは家族にお給料を払うことができます。
法人事業の税務上のメリットを表にしてありますのでご覧ください。
個人の場合 | 法人の場合 | |
事業主の給与 | × | 〇役員報酬として払えます |
家族の給与 | ×(青色専従者給与は可、ただし専従者は要件あり) | 〇 |
事業主の退職金 | ×(ただし小規模共済にはっていれば可) | 〇 |
生命保険料 | × | 〇(一定の要件あり) |
社宅 | × | 〇 |
旅費規程のよる日当 | × | 〇 |
社会保険の加入 | × | 〇 |
赤字の繰越 | 青色申告の場合3年 | 青色申告の場合10年 |
青色申告とは
個人の青色申告
個人事業を開始して青色申告の一番の特典は青色申告特別控除です。
事業所得の金額から最高65万円青色申告特別控除ができます。
最高の65万円を控除するには正規の簿記の原則に従って記帳していることが要件になります。
正規の簿記とは複式簿記に基づいて計算して決算書については貸借対照表をつけることが要件になります。
上記の会計ソフトを入力していれば通常は正規の簿記に従って記帳していることができます。
扶養に入るかどうかギリギリの38万円の所得の場合にこの青色申告特別控除が65万円もらえることによって、扶養に入れる方も出てきます。
青色申告してない方は青色申告特別控除がありませんし、正規の簿記の原則に従っていない方は10万円しか控除ができません。
青色申告の選択をするためには事前に税務署への申請が必要です。
「青色申告承認申請書」をその年から青色申告したい場合には3月15日までに提出してください。
開業したばかりの方は開業した日から2か月以内に提出することが必要です。
それ以外の特典は青色申告者の場合は家族に支払った給与を必要経費にできます。
家族に給与を払うには「青色事業専従者給与に関する届出書」が必要です。
会社の青色申告
法人で青色申告するには個人と同様に税務署に届出が必要です。
法人設立後3か月以内か、設立事業年度終了日のいずれか早い時期までに、「青色申告の承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
法人の青色申告のメリットの一番のものは赤字だった年の欠損金の繰越控除です。
平成29年4月以降開始の事業年度は欠損金を繰越できるのは10年になりました。
これは開業当初に赤字があった場合にはその赤字を10年間繰越できるので赤字が解消されて利益が出ても税金を払う時期が後になります。
結果的に通算すると節税になります。
これ以外には30万円未満の固定資産をその年に費用化ができます。また税額控除があります。
参考資料
税理士が知っておきたい50のポイント創業支援 東京税理士会 大蔵財務協会